幸せの価値
母は病院の冬の低い太陽の入る窓際のベッドで話した。








「お母さん、一日一日を大切に生きる」












そう言うとやわかい顔で微笑んだ。












となりのおばさんが、周りを睨みつけガラの悪い格好をしながらも毎日のように見舞いに来る俺を見て微笑みながら声をかける。
















「まだまだ甘えたい年頃なのね男の子は」















そういうとおばさんは軽くもう一度だけ微笑みながら間のカーテンを閉める。














母はそんな俺を微笑みを絶やさず見ながらもただただ窓の外の低くなって手の届きそうな空を眺める。











気付けば俺の目の下辺りは夕陽に乾かされていた。
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