花婿が差し替えられました
クロードの妻アリスは、ルイーズが想像していたよりもずっと美しく、可愛らしい女性だった。
しかも、ルイーズが憧れている義姉ゾフィー王太子妃も、アリスをベタ褒めしている。
それに…、その時ルイーズは、アリスを複雑な表情で見つめるクロードの瞳に気づいた。
いつも無表情で感情を顔に表さないクロードのなんとも言えない表情。
そこにルイーズは、アリスに対する彼の憧憬のようなものを感じたのだ。
その日から、ルイーズの中でアリスはクロードと自分の邪魔をする者と位置付けられた。
それまでは全く気にも留めていなかった彼の妻を、初めて認識したのだ。
だから、ルイーズは余計にクロードを身近に置くようになった。
彼には、隣国タンタルまでついて来て、生涯騎士として自分に忠誠を誓ってもらわなければならない。
今はまだ国王に忠誠を誓い国王の任命に従ってルイーズの護衛騎士になった形のクロードだが、タンタルに向かう時は唯一ルイーズだけに、忠誠を誓わせるのだ。
ところが、あの庭園で会った日以来、何やら雲行きが怪しい。
休みの日でも王宮内で鍛錬ばかりしていたはずのクロードが、頻繁に外出するようになったのだ。
理由を問いただせば、妻が飼い始めた仔犬が可愛くて会いに行っていると言う。
「ならここでも仔犬を飼うか、さもなければその仔犬を王宮に呼び寄せるか」と提案してみたが、クロードは激しく首を横に振った。
「私は、他の犬ではなくてあの仔犬に会いたいのです。それに、妻があんなに可愛がっている仔犬を引き離すなんて出来ません」と。
しかも、ルイーズが憧れている義姉ゾフィー王太子妃も、アリスをベタ褒めしている。
それに…、その時ルイーズは、アリスを複雑な表情で見つめるクロードの瞳に気づいた。
いつも無表情で感情を顔に表さないクロードのなんとも言えない表情。
そこにルイーズは、アリスに対する彼の憧憬のようなものを感じたのだ。
その日から、ルイーズの中でアリスはクロードと自分の邪魔をする者と位置付けられた。
それまでは全く気にも留めていなかった彼の妻を、初めて認識したのだ。
だから、ルイーズは余計にクロードを身近に置くようになった。
彼には、隣国タンタルまでついて来て、生涯騎士として自分に忠誠を誓ってもらわなければならない。
今はまだ国王に忠誠を誓い国王の任命に従ってルイーズの護衛騎士になった形のクロードだが、タンタルに向かう時は唯一ルイーズだけに、忠誠を誓わせるのだ。
ところが、あの庭園で会った日以来、何やら雲行きが怪しい。
休みの日でも王宮内で鍛錬ばかりしていたはずのクロードが、頻繁に外出するようになったのだ。
理由を問いただせば、妻が飼い始めた仔犬が可愛くて会いに行っていると言う。
「ならここでも仔犬を飼うか、さもなければその仔犬を王宮に呼び寄せるか」と提案してみたが、クロードは激しく首を横に振った。
「私は、他の犬ではなくてあの仔犬に会いたいのです。それに、妻があんなに可愛がっている仔犬を引き離すなんて出来ません」と。