花婿が差し替えられました
会合のあった部屋がある執務棟の前に戻ると、クロードはエントランス付近を守っている騎士に「会合の部屋にサンフォース伯爵が残っていないか確認して欲しい」と頼んだ。
騎士は訝しんではいたがすぐに確認を取ってくれたようで、少し待っているとアリスと直接話したという騎士が現れた。
その騎士の話では、アリスから王太子宮に案内を頼みたいと言われたところに、ちょうど迎えの騎士が来たとのことだった。
彼女は王太子妃殿下と約束があるとの話だったから妃殿下が騎士を迎えに寄越したのだろうと思ったのだが、その後妃殿下の方から「サンフォース伯爵がなかなか来ないが、まだ会合が続いているのか」と問い合わせがあったと言う。
「私も、何が何だかわからないのです」
騎士は困ったように眉尻を下げた。
(アリスは妃殿下のところに行くと案内された…。なのに、妃殿下には会っていない…。…まさか…!)
「その、サンフォース伯爵を案内した騎士はどんな男でしたか⁈」
突然クロードに迫られた騎士は思わず仰け反りそうになりながら答えた。
「貴方と同じように、護衛騎士の隊服を着ていましたが…」
「彼は王太子妃殿下の護衛騎士と言っていましたか?年頃は?背格好は⁈」
「…王太子宮から迎えに来たとは言っていましたが、妃殿下の護衛騎士だとは言っていませんでした。…そうですね。年齢は貴方と同じくらいで、背はもう少し低かったか…。栗色の髪で、眼鏡をかけておりました」
「…アイツ…!」
クロードは騎士に礼を言うと執務棟のエントランスを飛び出した。
アリスを連れ出した騎士に思い当たったのだ。
それは、先程騎士の宿舎前ですれ違った、栗色の髪に眼鏡をかけた同僚の騎士。
今朝まで一緒に夜勤をしていた、ルイーズ王女の護衛騎士だった。
騎士は訝しんではいたがすぐに確認を取ってくれたようで、少し待っているとアリスと直接話したという騎士が現れた。
その騎士の話では、アリスから王太子宮に案内を頼みたいと言われたところに、ちょうど迎えの騎士が来たとのことだった。
彼女は王太子妃殿下と約束があるとの話だったから妃殿下が騎士を迎えに寄越したのだろうと思ったのだが、その後妃殿下の方から「サンフォース伯爵がなかなか来ないが、まだ会合が続いているのか」と問い合わせがあったと言う。
「私も、何が何だかわからないのです」
騎士は困ったように眉尻を下げた。
(アリスは妃殿下のところに行くと案内された…。なのに、妃殿下には会っていない…。…まさか…!)
「その、サンフォース伯爵を案内した騎士はどんな男でしたか⁈」
突然クロードに迫られた騎士は思わず仰け反りそうになりながら答えた。
「貴方と同じように、護衛騎士の隊服を着ていましたが…」
「彼は王太子妃殿下の護衛騎士と言っていましたか?年頃は?背格好は⁈」
「…王太子宮から迎えに来たとは言っていましたが、妃殿下の護衛騎士だとは言っていませんでした。…そうですね。年齢は貴方と同じくらいで、背はもう少し低かったか…。栗色の髪で、眼鏡をかけておりました」
「…アイツ…!」
クロードは騎士に礼を言うと執務棟のエントランスを飛び出した。
アリスを連れ出した騎士に思い当たったのだ。
それは、先程騎士の宿舎前ですれ違った、栗色の髪に眼鏡をかけた同僚の騎士。
今朝まで一緒に夜勤をしていた、ルイーズ王女の護衛騎士だった。