花婿が差し替えられました
「好きです、アリス。俺は貴女が好きだ。だから、俺の本当の妻になって欲しい」
「本当の…?」
「ああ、本当の…」
『本当の妻』という意味を理解して、アリスは口元を綻ばせた。
「嬉しい…。好きよ、私も大好きよ、クロード」
クロードはそっとアリスから離れると、その前に跪いた。
「サンフォース伯爵であり、領主であり、事業主であるアリス。でもそれ以外の時間は、俺に独占させてください」
クロードは懐から小さな箱を取り出してアリスに差し出した。
訝しげに首を傾げるアリスの前で、その箱を開けて見せる。
それは、小さな石が付いた指輪だった。
石の色は美しい藍色だ。
クロードは指輪を箱から取り出すと、そっとアリスの細い指にはめた。
「綺麗…」
「…やっと、貴女にプレゼントができた」
「…やっと…?」
「実は避寒地で貴女に似合いそうな髪飾りを見つけたんだけど、王女に先に買われてしまって」
「王女様は自分で買われたの?」
「ん?ああ。何故か俺の視線の先にあるものをことごとく買っていたな」
「……そう」
アリスはホッと胸を撫で下ろした。
あれは、クロードが王女にプレゼントしたものじゃなかったのだ。
「本当の…?」
「ああ、本当の…」
『本当の妻』という意味を理解して、アリスは口元を綻ばせた。
「嬉しい…。好きよ、私も大好きよ、クロード」
クロードはそっとアリスから離れると、その前に跪いた。
「サンフォース伯爵であり、領主であり、事業主であるアリス。でもそれ以外の時間は、俺に独占させてください」
クロードは懐から小さな箱を取り出してアリスに差し出した。
訝しげに首を傾げるアリスの前で、その箱を開けて見せる。
それは、小さな石が付いた指輪だった。
石の色は美しい藍色だ。
クロードは指輪を箱から取り出すと、そっとアリスの細い指にはめた。
「綺麗…」
「…やっと、貴女にプレゼントができた」
「…やっと…?」
「実は避寒地で貴女に似合いそうな髪飾りを見つけたんだけど、王女に先に買われてしまって」
「王女様は自分で買われたの?」
「ん?ああ。何故か俺の視線の先にあるものをことごとく買っていたな」
「……そう」
アリスはホッと胸を撫で下ろした。
あれは、クロードが王女にプレゼントしたものじゃなかったのだ。