花婿が差し替えられました
たしかに初夜の晩、アリスはクロードに騎士を辞める必要はないと言っていた。
しかしクロードは素直に聞く耳を持たず、夢を諦めることばかり考えていた。
とにかくこの結婚は自分の犠牲の上に成り立つ。
騎士の道は、諦めなければならないのだと。
多分あれからまた話をされたとして、頑なに拒むばかりであったのは確かだろう。
しかしやはり。
「いくら貴女の方が年上で次期当主だとしても、あまりにも勝手が過ぎるでしょう?護衛騎士に推挙など、本当に余計なことを…。もし選ばれれば、私は再来年には国を出なくてはならないのですよ?」
勝手に夢を探られたのも、それを叶えてやろうという傲慢さも本当に腹が立つ。
だいたい王女の護衛騎士に選ばれたら、隣国へ行ってそのまま帰れないかもしれないのだ。
完全に別居夫婦になる。
それこそ、結婚する意味さえないではないか。
そこまで考えて、クロードはアリスが言ったある言葉を思い出した。
『一年間白い結婚のままならすんなり離縁できる』と。
まさか。
しかしクロードは素直に聞く耳を持たず、夢を諦めることばかり考えていた。
とにかくこの結婚は自分の犠牲の上に成り立つ。
騎士の道は、諦めなければならないのだと。
多分あれからまた話をされたとして、頑なに拒むばかりであったのは確かだろう。
しかしやはり。
「いくら貴女の方が年上で次期当主だとしても、あまりにも勝手が過ぎるでしょう?護衛騎士に推挙など、本当に余計なことを…。もし選ばれれば、私は再来年には国を出なくてはならないのですよ?」
勝手に夢を探られたのも、それを叶えてやろうという傲慢さも本当に腹が立つ。
だいたい王女の護衛騎士に選ばれたら、隣国へ行ってそのまま帰れないかもしれないのだ。
完全に別居夫婦になる。
それこそ、結婚する意味さえないではないか。
そこまで考えて、クロードはアリスが言ったある言葉を思い出した。
『一年間白い結婚のままならすんなり離縁できる』と。
まさか。