花婿が差し替えられました
「ところで…、外套ありがとうございました。袖を通してみましたが、とても丈夫そうで、温かかったです」
話が一段落ついたところで、クロードが誕生日プレゼントの礼を言った。
目敏い王女に見つかると厄介なので離宮で着ることはなかったが、これからプライベートでは活躍することだろう。
「ふふっ、遅ればせながら、二十歳のお誕生日おめでとうございます、旦那様」
アリスが小さく笑う。
「ええ、これで貴女と俺とは二歳違いになりました」
クロードがそう言って胸を張るので、アリスはなんだかおかしくなった。
「またすぐ三歳違いになりますのに」
アリスの二十三歳の誕生日は再来月なのだから。

「そうだわ。もしこの後お時間があるなら、夕食を食べて行かれませんか?ささやかだけれど、誕生日のお祝いをさせてくださいませ。今日いらっしゃるとわかっていたらきちんと準備させたのですけれど」
アリスがそう言ってクロードを誘うと、彼は悪戯っぽく笑った。

「時間があるも何も、俺は今晩からこちらに滞在しますよ。言ったでしょう?勤務以外は、いつも貴女の側にいるって」
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