人生模様

心の闇

達也の母の家で、二人は眠れぬ夜をすごした。


私の携帯も、家や友達から鳴りまくった。


きっと…。きれた母が、友達に電話しまくってるんだろう…。


着信を見るだけで、恐怖心がはしった。


朝になり、達也の母がきた

「起きてるかな?入ってもいい?」


「あっ!どうぞ」とドアを開けた…。


「ごめんね…。達也、これ少ないけど…帰りに舞ちゃんと御飯でも食べて」


お金だった…


「うん」 とだるそうに奪い取った。


なんだか悲しそうに、お母さんはドアを閉めた。


「達也!お金返したら?」

「なんで?むだ足した分、もらって当然だろ!」


「むだ足って…」


二人は少し、きれ気味で用意を済ませた。


今日は、男の人が仕事みたいで、お母さんが駅まで送ってくれた…。


駅に着くなり「ここでいいよ!じゃあ!あっ!そうそう、もうさ家に電話しないで!兄貴達も怒ってたし」と投げ捨てる様に言って、先に、さっさと歩きだした

「おじゃましました」と頭を下げて、見上げると、お母さんの目には涙が溢れ、呆然と立ちすくしていた。

達也もきっと泣きたかったんだろう…。甘えたかったんだろう。そう思うと、お母さんの涙が憎らしくさえ思えた…。


私も達也をおう様に、足早に、その場から去った。


また無言の道のりが始まった…。


ねぇ。神様。このままどうか、この闇から連れだしてください。光をください


心で強く願った
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