人生模様

代償

ホテルで朝を向かえた。私は嬉しさで眠れなかった。だけど、ゆっくりもしていられない!さっさと二人は用意を済ませた。


「送るよ」。家どのへんだった?」と達也。私は心では、まだ一緒にいたい!って気持ちでいっぱいだったけど、少しかっこつけた。

「道言うから行って」とだけ答えた。なめられたくなかった。


でも、こんな強がりも達也は見抜いてた。


家の近くで「ここでいいよまた電話して」と言って、車から降りようとした私に

「舞!結婚しような」と達也がいきなり言った!


「バカ」と笑ってバイバイしたけど!そうとう嬉しかった。達也にはかなわない

達也が見えなくなるまで、見送った。


でも…こんな幸せな時間は長くは続かない!家に着くまでに、親への言い訳で頭がいっぱいになってた。


おそるおそる家の鍵を開け「ただいま」と言うと、いきなり母親の罵声がとんできた…!


「何が、ただいまなの!何回電話したと思ってんだ!携帯かせ」ととりあげられた。


小さい頃から虐待されてた私は母親には恐怖心でいっぱいだった…。さからえなかった。


幸せの後の大きな代償だった…。


ただ部屋で涙した。泣きながら思った。なんの涙なんだろう?


悔しさ?怖さ?寂しさ?
分からなかった…
ただただ泣いてた。
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