その恋、まぜるなキケン
掃除、洗濯、そして少しだけ昼寝もして、夜ご飯まで用意ができた。


しかし旭からはなんの音沙汰なく、帰ってくる気配も全くない。


もし万が一彼に何かあったらと思うと、速報を知るのが怖くてテレビをつけることもネットを見ることもできない。


真紘は昨日と同じように、じっと時計を見つめただひたすら待ち続けた。


ようやく日付が変わった頃。


こうなったら晃に直接連絡を取ろうかとも考えた。


しかし、下手に動くとかえって旭の迷惑になってしまうことはもう分かっている。


自分で自分を必死に押さえ込み、綾人に連絡を入れることにした。


〈遅くにごめんね。綾人、いま旭と一緒?〉


うとうと、時折意識を飛ばしながら、今度は綾人とのメッセージ画面を見つめ続ける。


返事どころか、既読もつかなかった。


便りがないのは無事な証拠だと言い聞かせ、真紘は今夜もソファに寝転んで意識を手放した。
< 117 / 140 >

この作品をシェア

pagetop