その恋、まぜるなキケン
「……山。そうだ、山だよ!東京の西の方の山の麓に、親が遺した家があるって言ってたね!かなり立派な家だったみたいだよ」


東京の西の山。


そして麓の豪邸。


たったそれだけでも十分有力な情報だった。


あとはしらみつぶしに探していけばいい。


彼はきっとそこに何かを遺してくれているに違いなかった。


「それで十分だ。犯人は俺が必ず探し出す。絶対に無駄にはしない!」


旭は鍵をグッと握りしめ、扉の外に飛び出した。


外はまだ真っ暗だが、雨はもう止んでいた——。
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