その恋、まぜるなキケン
*
社会人になってから1、2年経った頃のこと。
2人の出会いは知り合いを介した合コンだった。
堀越真紘——
自己紹介で彼女はそう言った。
第一印象は〝普通に可愛いコ〟
他の女子に交ざって一見ニコニコ楽しそうにはしていたが、それが精一杯演じている顔なのを綾人はすぐに見抜いた。
自分も人数合わせで呼ばれた口だったし、もしかしたら彼女もそうなのかもしれないと、綾人は勝手に親近感をもった。
なんとなく、誰が誰を狙っているのかが分かり始めた頃、隣の女子に何やら耳打ちをしてから真紘が席を立った。
それを見た綾人は、追うように自分も「ちょっとトイレ」と告げて立ち上がる。
彼女はてっきりトイレに行ったと思ったのに、少し待ってもトイレからは誰も出てこない。
そうなると彼女は一体どこへ行ったのだろう?
入口から一旦外に出てみると、そこには探していた彼女が店の前で空を見上げていた。
「あれ?こんなとこでサボってる人がいるー」
綾人が軽いノリで声をかけると、真紘は「えっと……」と困った顔をした。
「椎名、椎名綾人だよ」
「あー!椎名さん!」
ちゃんと名前の聞き覚えはあっあようで、彼女はスッキリした顔で嬉しそうに笑った。
今回は作り笑いなんかじゃない、自然な笑顔だ。
それからしばらくそこで話をして、なんとなく意気投合した2人は連絡先も交換した。
そしてその後も定期的に会うようになる。
『高校の恋愛を引きずっている』と真紘から聞いていたから、綾人は2人の関係を無理に進めるようなことはしなかった。
ただ穏やかに真紘の隣で彼女を見守ったのだ。
お互いに惹かれ合った2人が付き合うようになるまで意外と時間はかからなかった。
告白は真紘からだった——。
社会人になってから1、2年経った頃のこと。
2人の出会いは知り合いを介した合コンだった。
堀越真紘——
自己紹介で彼女はそう言った。
第一印象は〝普通に可愛いコ〟
他の女子に交ざって一見ニコニコ楽しそうにはしていたが、それが精一杯演じている顔なのを綾人はすぐに見抜いた。
自分も人数合わせで呼ばれた口だったし、もしかしたら彼女もそうなのかもしれないと、綾人は勝手に親近感をもった。
なんとなく、誰が誰を狙っているのかが分かり始めた頃、隣の女子に何やら耳打ちをしてから真紘が席を立った。
それを見た綾人は、追うように自分も「ちょっとトイレ」と告げて立ち上がる。
彼女はてっきりトイレに行ったと思ったのに、少し待ってもトイレからは誰も出てこない。
そうなると彼女は一体どこへ行ったのだろう?
入口から一旦外に出てみると、そこには探していた彼女が店の前で空を見上げていた。
「あれ?こんなとこでサボってる人がいるー」
綾人が軽いノリで声をかけると、真紘は「えっと……」と困った顔をした。
「椎名、椎名綾人だよ」
「あー!椎名さん!」
ちゃんと名前の聞き覚えはあっあようで、彼女はスッキリした顔で嬉しそうに笑った。
今回は作り笑いなんかじゃない、自然な笑顔だ。
それからしばらくそこで話をして、なんとなく意気投合した2人は連絡先も交換した。
そしてその後も定期的に会うようになる。
『高校の恋愛を引きずっている』と真紘から聞いていたから、綾人は2人の関係を無理に進めるようなことはしなかった。
ただ穏やかに真紘の隣で彼女を見守ったのだ。
お互いに惹かれ合った2人が付き合うようになるまで意外と時間はかからなかった。
告白は真紘からだった——。