【完結】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。


 拓斗は私に微笑みかけると、「そんな最低な男と付き合ってたのは、どこの誰だったっけ?」と問いかけてくる。

「なんで、こんなこと……。お年寄りからいくら騙し取ったの、お金」

 拓斗は向かいにあるソファに座り込むと、「そうだな……。五百万くらいかな」

「五百万……!?」

 拓斗……最低すぎる。

「そのお金……どうしたの?何に使ったの?」

「ああ、その金なら隠してあるぜ。秘密の場所に」

「秘密の場所……?」

 なにそれ、そんなのおかしい。 お年寄りたちから奪い取ったお金なのに。
 
「詐欺なんて……許せない」

「そんなの知らずに俺と付き合ってたのは、お前だろ? 騙すのはチョロいもんだったよ」

 私はそんな拓斗に腹が立って、「アンタの詐欺のこと、警察に訴えてやるから」と拓斗を睨みつけ、スマホをバッグから取り出す。
 しかし拓斗に腕を掴まれ、それを奪われてしまう。
 
「ちょっ……!返してよ!」

 奪われたスマホを取り返そうとしたが、返してはもらえない。

「拓斗……お願い、スマホ返して」

「俺のことを黙っててくれるなら、返してやるよ」

 そんなの、卑怯だわ……。この人は悪いことをしてるのに、見逃せってこと……?
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