【完結】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。
「否定しなくてもいいよ、別に。してるならしてるってハッキリ言ってくれていいから」
私のその言葉を聞いた拓斗は、「侑里、本当に違うんだ。浮気なんてしてない。信じてほしい」の私の手を握ってくる。
「怪しい行動たくさんしてるのに、信じろとかふざけてる? それを信じてほしいなら、信じられるだけの証拠がないと信じられないけど」
拓斗が浮気してるなら、尚更信じられないけど。
信じたくもないから、別れるという選択肢しかない。
「そもそも、言えないってなに?浮気してるなら尚更したって言えば良くない? 浮気したことを怒るってより、私にもそれは言えないってなに?腹が立つね、ほんと」
拓斗を問いつめていくと、拓斗は「本当に……申し訳ないと思ってる」と答えを濁す。
「申し訳ないって思うなら、私のことどう思ってるのか聞かせてほしい。 私のこと愛してるなら、浮気したことを今回だけは許すから。だから、浮気したなら正直に言ってほしい」
私がそう聞くと、拓斗は「本当に浮気はしてないんだ。本当に、してない。それは心から誓える」と私に告げた。
「……呆れた、もう無理。私たち別れよう」
「えっ……ちょっと待ってくれ、侑里!」
「ごめん、もう本当に無理」