【完結】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。

狂気の微笑み

✱ ✱ ✱



「よし、やっぱりいない」 

 私が拓斗のその秘密を知ってしまったのは、それから三週間後のことであった。
 私の方から結局、拓斗に別れを告げてこの家を出た。 新しい引っ越し先が決まるまで拓斗は居ていいと言ってくれたけど、私はそれを拒否して家を出た。

 この三週間実家に住んでいたけど、拓斗とは連絡を取っていなかった。だけど久しぶりに、荷物を取りにこの家に帰ってきたのだった。
 拓斗には今日、この家に帰ることを言っていなかった。拓斗がこの時間家にいないことを知っていた私は、この時間を見計らって帰ってきたという訳なのだが……。

「めっちゃ散らかってるじゃん……」

 三週間でこの散らかりはヤバイ。掃除してないのが目に見えている。
 そこら辺にカップ麺やお弁当の食べた形跡が散らかって残っていた。拓斗は掃除が苦手だから、余計に掃除が出来ていない。
 
「もう……散らかりすぎ」

 拓斗はいつもこうだった。掃除が出来ないから、いつも私任せで、言わないとやらない人だった。
 そんな拓斗が浮気……。ダメダメすぎる。 呆れるよ、本当に。

「ん……?」 

 部屋を渋々片付けていくと、資料の山の中から何かが書かれた怪しい紙を見つけてしまった。
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