【完結】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。
「……侑里、何してるんだ?」
「……っ!!」
そんな時、後ろから拓斗に声をかけられてしまった。
「拓……斗っ……」
私が驚いたような顔を見せると、拓斗は「……それ、見たのか?」と問いかけてくる。
「ね、これってさ……詐欺、だよね?」
私がそう問いかけると、拓斗は「さあ?なんのこと?」ととぼけようとする。
「拓斗、あなたまさか……詐欺師、なの?」
そんなこと思いたくないし、信じたくはない。でも……。
「これ、詐欺……の証拠、だよね?」
これはやっぱり、拓斗が詐欺師である証拠だ。
「そっか。バレちゃったか」
拓斗は怪しく笑うと、私に近づいてくる。
「っ……なんで……。なんで、こんなこと……」
「これが俺の仕事、だからだよ」
「な……なに、言ってんの?」
これが俺の仕事……? 意味が分からない。
「あーあ、バレちゃったな、お前には隠しておきたかったのにな」
「まさか……私に言えないことって……」
拓斗は私の前に膝をつくと、私の顎を持ち上げて「そうだよ。これのことさ」と怪しく微笑みかける。
「だから言っただろ? 浮気なんてしてないって」
「アンタ……最低だね」