ー野に咲く花の冒険譚ー
「ん? 君,華奢だね。いくらなんでももうちょっと運動しないと倒れるんじゃないの?」
「余計なお世話だ。僕はこうして立っているだろ」
「あはは,そうだった。でも今度鍛えてあげるよ,死なないんでもお荷物になっちゃ困るからね」
アイザはちょっかいをかけるように,僕のことをタルトへ報告にいく。
タルトはほっといてやれと,軽くアイザを小突いていた。
「ねぇジョン」
「……ココラティエ,近い。歩き辛いだろ。……少し離れてくれ」
ココラティエはカッと赤くなって,唇を噛んだ。
これは,何となく理解できる。
「何故お前が怒るんだ? ココラティエ」
「っ~っっっそうよね,分からないのよね。可哀想なひと!!」
ココラティエはずんずんと前へ行き,驚き振り向いたタルトとアイザの元へいく。
アイザがへらりと笑うと,ココラティエはアイザの耳を強く引っ張った。