ー野に咲く花の冒険譚ー



「ココラティエ?」

「名前,もう呼ばないで!! ううん,ココにして。長いでしょ? それなら家族も呼ぶもの,私だって慣れるはず。…このままじゃ私,勘違いしたままの頭でいけない気分になりそう……!!!」



ココは恥じるように身体を抱き締めて,そのまま前を進んだ。



「ココ」

「はっわ……な,なに? ジョン」

「そっちじゃない,お前は確かあっちから来ただろ?」



変わらぬトーンで引き留め,別の方向を指差す。



「! あーぁもう! ありがとう!!!」



ココは頬を両手できつく挟み,真っ赤な顔を振りながら方向を変えた。

正面に見える身体まで全て赤く染まっている。



「ジョンもそろそろやめるのよ」

「どうして? 水は新鮮でいい」

「どうしてって……このままじゃ直ぐに男達も起きるわ。年頃だもの,太陽に敏感なのよ」

「僕は気にしない」

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