ー野に咲く花の冒険譚ー
「僕の花も,きっと防ぐには限度がある。怪我はしないけど,弾き飛ばされちゃ近づけない。花の出す粉末を吸わないように気を付けながら,僕の援護をしてくれ」
「……分かった」
「僕も,リーダーが言うなら何でもいい。あの王さま嫌いだし」
「逆らったりして,そんな危険も犯して……ジョンは大丈夫なんだよね……?」
ココラティエが袖を引き,駆けようとする僕を引き留めた。
けれど,その瞳は強く光っている。
信頼の色,これはそれを信じるための確認だ。
「……僕は死んだりしない。これでもそこそこに動けるはずだ」
「ああ,心配要らないよココ。君の言うジョンは案外怖いから」
余計な口を挟むなと蹴飛ばしたのを見て,ココラティエは頷いた。