ー野に咲く花の冒険譚ー
「ジョン! どうしたの……顔,ぼろぼろ……ないて……?」
「ココラティエ」
「え……」
僕はココを抱き締めた。
けれど良くないからと直ぐに離す。
腕には例外でもなんでもない花つきのあやめがいる。
「僕は1キロ先の施設へこの子を連れていく。花つきだ。説明は後にしてくれ」
背を向けた。
その肩を,タルトが掴む。
「俺も行く。俺はリーダーだから,お前は報告の,俺はそれを聞く義務がある」
何があった。
そう言葉と裏腹に,熱く瞳が語り掛けていた。
「………………紙とペンを。息を止めて,離れろ」