ー野に咲く花の冒険譚ー

「ジョン! どうしたの……顔,ぼろぼろ……ないて……?」

「ココラティエ」

「え……」



僕はココを抱き締めた。

けれど良くないからと直ぐに離す。

腕には例外でもなんでもない花つきのあやめがいる。



「僕は1キロ先の施設へこの子を連れていく。花つきだ。説明は後にしてくれ」



背を向けた。

その肩を,タルトが掴む。



「俺も行く。俺はリーダーだから,お前は報告の,俺はそれを聞く義務がある」



何があった。

そう言葉と裏腹に,熱く瞳が語り掛けていた。



「………………紙とペンを。息を止めて,離れろ」


< 40 / 204 >

この作品をシェア

pagetop