ー野に咲く花の冒険譚ー
「……分かりました。その子を受け入れます。あなたが来るまで,私の命有る限りその子に愛を与えましょう」
「! 頼む,他に行きの無い子なんだ。……直ぐに戻ってくる,アヤメ,死ぬんじゃないぞ」
最終何があっても。
依頼さえ済めばもっと遠くに行くはずだった。
こんな国に捕まらないよう,利用されないよう。
うっかり僕が殺してしまわないよう。
こんな序盤のところまで戻ってこれるはずもなかった。
だけど……
お前がいるなら,僕もお前の兄のように危険を犯して,戻ってきたっていい。