ー野に咲く花の冒険譚ー
アイザの言葉は,全て狂った音をしている。
どんな危機感も全て抱かせ,惑わせる。
アイザはそれだけだよ,と,種明かしのようなテンションを瞬時に全て仕舞った。
「たったそれだけの理由で,ココに,仲間に毒を盛ったのか。ただでさえ儚い命を,たかだか残り数十年の命を奪う必要が本当にあったのか……ココのことは,なんとも思わなかったのか」
怒って,泣いて,好いて,泣いて
最後には笑ったココラティエのことを。
僕はもっと,あの子を見ていたい。
「そうだよ,まさか1日でバレるとは思わなかったけど。まあ人殺しなんて初めてだったから仕方ないね。ココは邪魔,ジョセフィーネは好き。ただそれだ……」
「っ」
通じない話に,僕は右腕に力を込め,飛び降りる。
これには流石に,真下のアイザも目を丸くした。
「……っ」