ー野に咲く花の冒険譚ー
「あれ,てっきりタルトの大剣で首ちょんぱかと思ったよ」
「そんな役回り,させられるか……!!」
それに,この部隊は人員不足。
モブ男達はともかく,アイザに抜けられるのは痛い。
それは先の村でも理解している。
「ってかジョセフィーネ。死んだって使いたくないのは分かるけど,動けないんだから置くか燃やすかの2択でしょ? ココの魂は登ったんだよ」
「ハンッ,ばーか。死んでない。ココは今も生きている。僕がただで死なせるわけがない」
ココは心臓マッサージと,人工呼吸と,毒だと分かった上で水分を口移ししてやれば生き返った。
死んだと明言した割に,案外さっくり生き返ったものだから。
僕はアイザへの信頼を,マイナスまで落としたのだ。
「なんだそれ,骨折り損じゃん……アガッ」
僕はアイザの肩を捻りあげ,骨を外した。