ー野に咲く花の冒険譚ー
ココラティエは今,僕からメモを受け取ったタルトに,眠らずの護衛をされこんこんと眠りに付いている。
『えー!! 殺さないの? いいの? また襲われるんじゃな~い?!!!』
「なっ……?!!!」
ようやく夜も明けるかと思われた時,僕はまた新たな,世界規模の問題に見舞われた。
あまりのショックで気味が悪い現象に,驚くよりもまずドン引きする。
肩を押さえ呻くアイザもまた,言葉を失い,顔面から血の気を引かせた。
「ジョン?!!」
どこからともなく,いつからいたのか分からないタルトが顔を覗かせる。
場はかつてない程の静けさに包まれ,太陽は登り始め,世界が赤らんだ。
『あれ? どーしたの?』
本当の混沌が,始まりを告げた朝。