ー野に咲く花の冒険譚ー
6章 混沌
「アイザはそのままにしておくのがジョンの判断か?」
「ああ。僕にはどこからどこまでの罪に,どんな罰が本当に相応しいのか分からない。だったら城の組織に丸投げするのがいいんだろうが,戻っている暇はない」
「そうだな。俺が見ておくことにする。目を離していて悪かった」
「いや」
「で? それは大丈夫なのか,ジョン?」
「知るわけ無いだろ……ーーーーー」
緊急事態に,他の仲間には知らせず。
僕はタルトと二人きりになっていた。
ココラティエは他の隊員が見ている。
「ねぇ,わたくしちゃまのこと!? 何のはなし? 何のはなし?!?」
スピーカーから聞くような,こもった音。
これ以上は考える時間が必要なのに,そいつは1度も黙ってくれない。
「何で花が喋れるんだ」
考えても分からないことを,どうせ喋れるならと尋ねてみる。
こちらの話が全て通じるとは限らないけど