4K幼馴染は溺愛がすぎる
翌日、あゆちんはキッズを連れて来てくれて沙奈と2人で大きく成長したあゆキッズを撫で回すように可愛がりながら、ランチを楽しんでいると急に沙奈が

「はい、鈴音さん?私達に報告は?」

と、意味深な質問を口にする。
夕とのあれこれは、あっくんともあれ以来話をしておらず、もちろん2人には告白されたことすら話していない。
同じ幼馴染みのグループであるからこそ、気をつかわせそうで、言えなかった。

「え?!私なんか報告すべき事あった?」

突然の質問に、わけも分からずそう答えると

「とぼけるのか!すず!!夕だよ!夕!」

とあゆちんまでもが机をバンバンとしながら迫ってくる。

「え、夕って、夕が何?!」

2人が知るはずもないので濁して言うと

「あの日以来何も無かったとは言わせないわよ。あん時の夕が本気で言ってる事くらい分かってるんだから。はやく吐け!!」

と隣に座っていた紗奈が鈴音の頭をグリグリと拳で攻撃しながら言ってくる。
やっぱりみんな本気なのは分かってたのか、とあっくんから言われた言葉を思い出す。

「あ、えと、何回か、デートというか、お出かけというか、はい、、、。」

昔から知っているからこそ少し恥ずかしくなっていると

「で?付き合った?ヤった?」

ぐいぐいと攻めた質問を飛ばしてくる沙奈

「いやいや!付き合ってない!!」

「すずはどう思ってるの?夕のこと、答え出すならちゃんとしてあげないと夕が可哀想だよ。」

あゆちんが冷静に、まっすぐ鈴音を見つめる。

「えっと、うん、、。」

自分の気持ちはもう既に分かっているものの、本人相手ではないとはいえいざ口に出すとなると恥ずかしすぎて、なかなか言えずにいると"はぁーーー"と沙奈がため息をつく

「いやまぁ、分かるよ?!夕って何考えてんのか分かんない時多いし!嫌な時はすぐ分かるけど。でも良い奴じゃん!!何が不満だ!この野郎!!」

とまたもや頭をグリグリとしてくる。

「いたたたた!そうじゃなくて!あの、夕の事はその、好き、、って言うか、、。」

とボソボソっと答えると2人は口に手を当ててあからさまにニヤニヤしている。

「へぇ〜ふぅ〜ん??それで?」

「気持ち伝えよう、、とは思ってるんだけど今夕は仕事大変そうだから落ち着いたら。。」

すると、きゃー!!と拍手をして喜んでいる。
自分の事のように喜んでくれる事が嬉しくて、つい顔が緩む。

「幼馴染みの中に付き合ってる人がいるの、空気壊したりしない、、かな?」

鈴音が1番心配していた事を口にすると、はっと2人に笑われる。

「んなわけないでしょう!!」

「大好きな2人が幸せなら私達も嬉しいよ」

と優しい笑顔で答えてくれる。

「夕なら安心だわ〜今までのクズたちと違って」

「まぁ何考えてるかよく分かんない時多いけどね〜!」

と 2人が話していることに、先程から鈴音には共感出来ないことが1つありそれを口にする

「夕って、めちゃくちゃ分かりやすくない?」

そう言うと2人はまたケッと首を横に振り

「それはあんたにだけだよ、昔から」

と紗奈が言うので更に頭に?が浮かぶ。
するとあゆちんが嬉しそうに

「確かに私達も、他と比べたら夕の事は分かるけど、夕は昔っからすずの事大好きだからすずの前では表情豊かになって分かりやすいのよ。」

「え!?夕が昔から私の事好きってどーゆーこと?!だって彼女とか絶え間なく普通にいたじゃん!?」

あゆちんに言われた事が衝撃すぎて食い気味に聞くと、あとは夕から聞きな〜とそれ以上を教えてはくれなかった。
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