4K幼馴染は溺愛がすぎる
冷めた視線に冷たい声でそう言う夕にみるみる顔を赤くして怒りを露にする女性。
「俺、今すずとデートしてんだけど。邪魔しないでくれる?」
「デ、デート?!あのゆーくんが!?ありえない!!しかもこんな化粧もろくにしてない女と?!あんた一体どんな卑怯な手使ったのよ!!!」
夕に相手にされないと分かると鈴音に怒りの矛先を向け、胸ぐらを掴もうとする女性。
クイッと夕に手を引かれて思わず席を立って机の上に前のめりになってしまい、バランスを取ろうとしていると、いつの間にか夕にキスをされていた。
30手前がこんな公共の場で、、、、
しかも訳ありそうな女性の前で、、、
高校生じゃあるまいし、と夕と女性との関係よりも今この現状に鈴音が頭を抱えている事も知らずに夕は
「すず以上に俺が愛せる人いないんだけど。名前も知らないけど、次すずの事悪く言ったら許さないから。」
と、先程よりも冷たく、怒りに満ちた声でそう言い放ち、その女性は何か言いたそうな顔をしながらも帰って行った。
「ちょっと!!!夕どういうつもり!!?」
幸い、席ごとに仕切りがあって店内でも端の方の席に座っていた為、目撃している人は彼女以外いないようだが、鈴音としては大問題である。
「ね、いい迷惑だよ。」
なんの悪気もなさそうに、彼女への不満をこぼす夕の耳を引っつかまえ
「私は夕に言ってんだけど!?こーんな人前であんな事して!!!!」
「あんなこと??あー、キスのこと?だってあーゆー人黙らせるには見せつけるのが1番かなーって。現に帰って行ったじゃん?あの身の程知らずな女」
「だとしても!!!こんな人目の多い場所であんな事しないで!!!しかも!これに関しては昔絶え間なく彼女作ってた夕の責任でしょ!?元カノの1人も覚えてないなんて!!!そりゃ怒りたくもなるわ!」
「?」
夕は頭を傾げて訳が分からないという表情をして
「何言ってんの?」
と言った。
「え?」