4K幼馴染は溺愛がすぎる
第六章
次の日、夕は在宅勤務に変更してくれ、鈴音は有給を取った。休みでは無い夕は、ずっと鈴音の隣にという訳にはいかないものの、休憩時間や空いた時間には鈴音の様子を見に書斎から出てきてくれていた。
次の日以降は普通に出勤したのだが、夕が送り迎えは必ずすると言って聞かず、初めは断っていたのだが全く折れない夕に、少し不安も残っていた鈴音は甘える事にした。
夕と一線を超えてから、より一層距離が縮まった気がして、夕を近くに感じれた気がして、鈴音は強くなれた気がしていた。
鈴音は父親の要求に最後まで応じるべきかを悩んでいた。
警察に相談しようとも考えていた。
しかし
"警察に通報すればどうなるか分かってるよな?"
という手紙がポストに入っており、もう何も失う物のない父は何をするか分からない、と言う恐怖から通報しようとする夕を鈴音が止めた。
応じるしかない。
父は100万と言っていた。
営業でもバリバリに働いている鈴音には渡せない額ではない。
渡して大人しく帰ってくれるならそれが一番良い。
下手に抵抗して、夕や母に何かあった時の方が鈴音は耐えられない。
約束の日
数日前にまたポストに家の近くの公園の名前と日時が書かれた手紙が入っていた。
夕は俺が行くからすずは家に居ろと言って聞かなかった。
しかし、鈴音も折れることは無かった。
もしここで夕1人に行かせて帰ってこなかったら、、、
そんな事考えたくはなかったが、あの父親ならしないとも言いきれない。
夕は、何を言っても引かない鈴音に一緒に行くことで折り合いをつけてくれた。
いつでも警察に連絡ができるように鈴音は、携帯で110を押しあとは掛けるだけで繋がる状態にして手から話さず握りしめている。
お金を下ろした封筒をバックに入れようとした時、夕に
"1度渡すとまた必ず求めてくるからダメ。俺に任せて。お願い。"
と止められ、あまりにも真剣な眼差しで見つめてくる夕にお金を家に置いて指定された場所に向かう。
すっかり秋から冬になろうとしている外の空気に触れ、身をすくめていると安心させるかのように手を繋ぎ微笑みかけてくれる夕。
いつもと変わらない夕の姿に少し緊張していた心が和らぐ。
すると、向かい側から父親の姿が目に入り夕の手を握る手に力が入る。
「なんだよお守り付きかよ。まぁいいけど、金は?」
きっと鈴音が反抗するわけがないと高を括っているのだろう。
余裕そうな笑みを浮かべ、夕の事など気にも止めていない。
父の頭には、"金" しかない。
"夕が隣に居てくれている"
それだけで、鈴音は父を目の前にしても発作を起こすことなく、平然としていられた。
なにも言わない鈴音に痺れを切らしたように
「おい、金は。はやくしろ」
とタバコを踏みながら少しイラつきを見せながら要求してくる。
今までだったら、この状況でまた発作を起こして、何も言えず、泣く泣くお金を渡していたことだろう。
しかし今、父に対して恐怖よりも軽蔑が勝っていた。
こんな人にずっと苦しめられていたのかと思うと怒りすら湧いてきていた。
「お金なら渡しません。母にも近寄らないで下さい。もう、私たちの近くに現れないで。それを約束してくれないのであれば、これまでのあなたの恐喝行為やストーカー行為、先程の言動を警察に提出して再び刑務所に入って貰います。」
毅然と、怯えることも無くそう言ってのける鈴音に、父親は思い通りにいかない鈴音に殴りかかろうと怒りを露わにする。
「俺に逆らってんじゃねぇよ!!」
先程まで黙っていた夕が、鈴音に掴みかかろうとする父親の前に割って入る。
「おい!どけ!!!」
夕を弾こうとした手を、夕はまるで子供の手を掴むかのように簡単に止めてしまい、身動きが取れなくなる父親。
次の日以降は普通に出勤したのだが、夕が送り迎えは必ずすると言って聞かず、初めは断っていたのだが全く折れない夕に、少し不安も残っていた鈴音は甘える事にした。
夕と一線を超えてから、より一層距離が縮まった気がして、夕を近くに感じれた気がして、鈴音は強くなれた気がしていた。
鈴音は父親の要求に最後まで応じるべきかを悩んでいた。
警察に相談しようとも考えていた。
しかし
"警察に通報すればどうなるか分かってるよな?"
という手紙がポストに入っており、もう何も失う物のない父は何をするか分からない、と言う恐怖から通報しようとする夕を鈴音が止めた。
応じるしかない。
父は100万と言っていた。
営業でもバリバリに働いている鈴音には渡せない額ではない。
渡して大人しく帰ってくれるならそれが一番良い。
下手に抵抗して、夕や母に何かあった時の方が鈴音は耐えられない。
約束の日
数日前にまたポストに家の近くの公園の名前と日時が書かれた手紙が入っていた。
夕は俺が行くからすずは家に居ろと言って聞かなかった。
しかし、鈴音も折れることは無かった。
もしここで夕1人に行かせて帰ってこなかったら、、、
そんな事考えたくはなかったが、あの父親ならしないとも言いきれない。
夕は、何を言っても引かない鈴音に一緒に行くことで折り合いをつけてくれた。
いつでも警察に連絡ができるように鈴音は、携帯で110を押しあとは掛けるだけで繋がる状態にして手から話さず握りしめている。
お金を下ろした封筒をバックに入れようとした時、夕に
"1度渡すとまた必ず求めてくるからダメ。俺に任せて。お願い。"
と止められ、あまりにも真剣な眼差しで見つめてくる夕にお金を家に置いて指定された場所に向かう。
すっかり秋から冬になろうとしている外の空気に触れ、身をすくめていると安心させるかのように手を繋ぎ微笑みかけてくれる夕。
いつもと変わらない夕の姿に少し緊張していた心が和らぐ。
すると、向かい側から父親の姿が目に入り夕の手を握る手に力が入る。
「なんだよお守り付きかよ。まぁいいけど、金は?」
きっと鈴音が反抗するわけがないと高を括っているのだろう。
余裕そうな笑みを浮かべ、夕の事など気にも止めていない。
父の頭には、"金" しかない。
"夕が隣に居てくれている"
それだけで、鈴音は父を目の前にしても発作を起こすことなく、平然としていられた。
なにも言わない鈴音に痺れを切らしたように
「おい、金は。はやくしろ」
とタバコを踏みながら少しイラつきを見せながら要求してくる。
今までだったら、この状況でまた発作を起こして、何も言えず、泣く泣くお金を渡していたことだろう。
しかし今、父に対して恐怖よりも軽蔑が勝っていた。
こんな人にずっと苦しめられていたのかと思うと怒りすら湧いてきていた。
「お金なら渡しません。母にも近寄らないで下さい。もう、私たちの近くに現れないで。それを約束してくれないのであれば、これまでのあなたの恐喝行為やストーカー行為、先程の言動を警察に提出して再び刑務所に入って貰います。」
毅然と、怯えることも無くそう言ってのける鈴音に、父親は思い通りにいかない鈴音に殴りかかろうと怒りを露わにする。
「俺に逆らってんじゃねぇよ!!」
先程まで黙っていた夕が、鈴音に掴みかかろうとする父親の前に割って入る。
「おい!どけ!!!」
夕を弾こうとした手を、夕はまるで子供の手を掴むかのように簡単に止めてしまい、身動きが取れなくなる父親。