4K幼馴染は溺愛がすぎる
その後も、何件かお店を変えながらお酒を楽しみだいぶ出来上がっていた。

「もう呑めない〜」

「それな~」

「帰りますかぁ~」

と、3人で仲良く肩を組んで駅の方へと歩いていく。
2人は旦那さんが車で駅まで迎えに来てくれるらしく、駅前で別れて鈴音もホームへと脚を運ぶ。

1人になった鈴音は、夕に今から帰ると連絡をして、今日2人に言われたことを考えていた。

"確かに、前までは合コンとかいっぱい参加してたけど、結局トラウマの事とか怪我のことあるしって一線引いちゃってたよな〜。あゆちん凄いな。"

"勢い、、、勢いか〜、、、。それに、私が言ったら夕はどんな反応するんだろ、、、。"

そんなことを考えていると、あっという間に降りる駅に着いてしまい、改札へと向かう。
改札を出て帰路につこうとした時、誰かにスっと手を繋がれ

「お姉さん綺麗ですね、僕と一緒に帰りません?」

と繋がれた手にキスをされる。
一瞬驚いて身体が強ばったものの、その相手を見て鈴音は笑みを浮かべる。

「お迎え来てくれたの?すぐそこだから大丈夫っていつも言ってるのに」

「暗い時間にすず1人になんでさせられないよ。それに、早く会いたかったしね。」

と、可愛らしく笑う夕。
夕は引っ越してからと言うもの、鈴音が残業で夜遅くなった時や、飲み会があった時、必ず迎えに来てくれる。
家までは徒歩10分もかからない距離なのに、心配だから。と毎回来てくれる夕。

いつも、鈴音が視界に入るだけでも幸せそうに笑ってくれる夕。
お酒が入っているからなのか、沙奈に焚き付けられたからなのか、鈴音は夕の笑顔を見た時、自分が悩んでいた事、覚悟、全てがどうでも良くなり、夕への想いが胸から溢れだした。

「夕、結婚しよ」
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