再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
衝撃的な出会い
10月初旬――
夜の風は少し肌寒い。
あんなにも暑かった夏が、もうずっと前のことのように思える。


私は、花屋の仕事を終えて真っ直ぐ家に向かっていた。


1人暮らしの小さなマンションは、仕事場からそう遠くない場所にある。通い慣れた道を自転車で走りながら、ペダルがいつもより重いことに気づく。


疲れが溜まってきたのかな……


花屋の仕事は結構体力がいるうえに、最近あまりゆっくりと体を休めていなかった。
私は……今、24歳。
10代の頃のように体が動かないことを、もう少しちゃんと自覚するべきなのかも知れない。


私の名前は、斉藤 愛莉(さいとう あいり)。


少し茶色っぽいセミロングの髪を束ねて、だいたい毎日アップスタイルにしてる。
身長は165cmで、体重は……もちろん秘密。
周りは「スタイルが良い」なんて言ってくれるけど、きっとお世辞だろう。
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