再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「いや、待ってない。俺も今来たところ」


さっきと同じ。
瑞はきっと、しばらくここで待っててくれたんだろうな。


「温泉、気持ち良かったね。私はチャイナの泥風呂とか好きだった。男湯も良かった?」


「ああ。色んな国のお風呂に少しずつ入った。ヨーロッパが神秘的なブルーのお湯で綺麗だった。愛莉と一緒に入りたかったけど……」


その言葉に思わず赤面する。
ヨーロッパのお湯に浸かる瑞の裸を、ほんの一瞬でも想像した自分が恥ずかしくなる。


「なあ、愛莉。今から……俺のマンションに来ないか?」


「えっ?」


急な誘いに驚きを隠せない。


「遅くなっても近くだから、すぐに帰れるだろ? さあ、行こう」


半ば強引に手を引かれ、私達は楽しかったプールと温泉をあとにして、駐車場に向かった。


平気なフリをしてる私の手と、背の高いカッコいい瑞の手が絡み合う、この瞬間の心臓の音。
こんなにもドキドキするのはどうして?


私は、今から幼なじみの部屋に行くんだよね?
あまりにもイケメンに変貌した、瑞の部屋に――
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