再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
今にもその場に泣き崩れてしまいそうで、何だか少し戸惑ってしまう。
こういう時、どうやって声をかければいいの?


「り、理由はわかりませんし、奥様が許して下さるかどうかもわかりませんが……精一杯の気持ちを込めて花束を作らせてもらいますから。だから、元気出して下さい」


気の利いた励ましの言葉も見つからず、それしか言えなかった。


「すみません……ありがとうございます」


この人のスーツの上着から覗くワイシャツには、キチンとアイロンがかけられている。靴も磨かれてるし、ネクタイのセンスも良い。
勝手な想像だけど、奥様は、旦那様のために一生懸命家事をされてるんじゃないか――そんな印象を受けた。


そんな風に健気に頑張る奥様を思い浮かべ、私ができることを何かしたいって思った。会ったこともないし、真実は全くわからないけど、でも……お花を愛してくれてる人を「笑顔」にしたかった。
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