再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「実は、花には本数によっても花言葉が違うんです。でも、その花言葉にしようとすると、薔薇の本数は4本になります」


「本数によっても花言葉が違うなんて全然知りませんでした。でも、すみませんが、妻はたぶん4という数字は好みません」


確かにそういう人が多いのが現実だ。


「では、9本なら『いつまでも一緒にいて下さい、いつも貴女を想っています』。11本なら『最愛』です。いかがでしょうか?」


少し考えて、黙り込む男性。
私は焦らずに答えを待った。


「では……11本で……お願いします」


決意と共に出た数字。
「最愛」――奥様を1番に愛している。
男性は、それを伝えることにしたんだ。
最後の決断は奥様だとしても、その想いが届けばいいなって、心から思った。


「すぐご用意しますね。しばらくお待ち下さい」


私は、できる限り丁寧に真紅の美しい11本の薔薇を花束にした。
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