再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「どうやって剥く?」


そっか、やっぱり知らないんだね。
めちゃくちゃ秀才の瑞にも出来ないことがあるって……なんだか可愛く思える。


「エビはね、こうやって……」


私の手を覗き込むように見る瑞。
まるで、解剖手術に立ち合ってるみたいに真剣な目付きになってる。


ちょっと……笑える。


エビの殻を剥くだけなのに、そんなジーッと見なくてもいいのに。
でもきっと……
瑞は何にでも一生懸命で全力投球なんだろう。


2人で横に並んでキッチンにいるこの状況。
顔には出さないけど、私……
心臓がうるさく音を立てて、ものすごくドキドキしてる。


「ね、ねえ、瑞。もし良かったら、ベランダでお花を育ててもいいかなぁ?」


「ああ、もちろん構わない。好きなようにして」


「良かった、嬉しい。自分のマンションでも、小さなベランダにたくさん植えてたの。どうしようかな……何を育てようかな」
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