再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
月の綺麗な夜
ある日、私は、賢人君とある豪邸で仕事をしていた。
かなり大きな花瓶に、脚立を使って花を差していく作業。賢人君が、脚立を支えながら、上にいる私に花を渡してくれた。
特に難しいことじゃない、いつもと同じこと。


「賢人君、次はあれお願い」


「わかりました」


私が指をさした花を取るために、賢人君が動いた。
脚立もそんなに高くはないし、体勢も安定してる。でもその時、運悪くたまたま彼の腕が当たってしまい、脚立が倒れ、私はそのまま勢いよく床に落ちてしまった。


「愛莉さん!!」


大声で叫びながら、私を起こそうとする賢人君。


「どうしたんですか?」


そこのお宅の奥様が、びっくりして駆けつけてくれた。


「だ、大丈夫です。すみません」


お客様のお宅でこんなこと……
すぐに立って謝りたいのに体が全然動かない。
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