再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「ちょっと待って、何言ってるの? 私が指示した花を取ろうとしただけじゃない。腕が当たったのは偶然で、わざとじゃないんだから。賢人君が謝ることは何もないよ。本当に、私は大丈夫。こんな大げさにしちゃって恥ずかしいくらいだよ」


手を数針縫ったり、まだあちこち痛みはあったけど、賢人君に心配かけたくなくて笑顔でそう言った。


「愛莉さんは優し過ぎます。いつもそんな風に優しいから……僕は……」


「愛莉!!」


その時、いきなりドアが開いた。


「瑞!」


「大丈夫なのか? さっき看護師から聞いて。診察中ですぐに来れなくて悪かった」


「ううん、ごめんね、心配かけて。まだ仕事中でしょ? 私なら大丈夫だから、早く戻って」


「愛莉……」


ものすごく心配してくれてる瑞の顔は、何となく、子どもの頃と同じ雰囲気だった。
考えたら、いつだって瑞は私のことを心配してくれてた。
当時はそこまで思わなかったけど、今は……それがどれだけ有り難いことなのか、すごくよくわかる。
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