再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「その人はね……この病院に、時々来ては花を飾ってくれてるんだ。いつも可愛い笑顔で僕に笑いかけてくれて。その笑顔が、狂おしい程に素敵でね」


えっ……
ちょっと待って……
それって……


「あ、あの……」


ベッドにゆっくりと近づく先生。
私は、思わず、座りながらも少しだけ後ずさりした。


「怖がらないで……大丈夫だよ。ほら、見て……窓から見える月。綺麗だと思わない? 僕はね、この部屋から見える、この月が1番好きなんだ」


そう言って先生は、窓の外に視線をやった。


「君にも見せてあげたくてね。この部屋に入ってもらったんだよ。もう、この先、こんなチャンスは二度とないと思うから……だから、ここでちゃんと言わせて」


先生は、さらに私のすぐ近くまで距離を縮めた。
そして……
ゆっくりとベッドに腰を下ろした。
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