再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「やめてよ、恥ずかしいな。大人になって、ちょっとはマシになったんだから。でも……そういう時、いつも瑞が手当てしてくれたよね。すぐに家の救急箱を取ってきてくれて、消毒して、絆創膏を貼ってくれた」


本当に、懐かしい思い出。
記憶の中に、ずっと置き忘れていたのに……
まだ小学生の瑞が、大きな救急箱を抱えて必死に走ってくる姿が、今、鮮やかに浮かび上がった。


頼りになる優しいお兄ちゃん。
幼い私は、そんな瑞と一緒にいることがすごく心地良かったんだ。


「怪我したんだから、手当する。そんなことは当たり前だろ」


「当たり前じゃないよ。私は、瑞に甘えてたよね。たぶん、きっと……いつも側で支えてくれてたのに、そのことに感謝もできずにいたと思う。本当に……ごめんね」


私は、ベッドに座りながら頭を下げた。


「謝るなよ、そんなこと……」


瑞に頭をポンポンされ、ちょっと照れる。
それに、この微笑み……やっぱりすごく素敵で安心する。
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