再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
確かに、彼女を振り向かせられないことに対しては、自分自身、とても不甲斐なさを感じる。
だけど、俺は必ず愛莉と結婚する。
その気持ちは、絶対に揺らぐことはない。


そう遠くない未来に……
何としても、彼女を振り向かせてみせる。
俺は、自分にそう誓った。


***


ある日の夜――
遅くまで病院に残っていて、帰ろうと支度をしていたら小川先生が声をかけてきた。


「瑞先生! お疲れ様」


「ああ、お疲れ様」


「ねえ、先生。これから食事しない?」


食事の誘い?
それは初めてのことだ。


「申し訳ないけど、食事は家ですることにしてるから」


「わざわざ自分で作って食べてるの? 瑞先生、彼女はいないんだったわよね」


俺は、黙ってしまった。


他の先生も帰ってしまい、誰もいない診察室の前は、かなりの静寂をまとっていた。


「まさか瑞先生、彼女ができたの?」


「彼女は……まだいない。でも、好きな人がいるから」
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