再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「あ……いりさん。愛莉さん?」


気づいたら、賢人君が私のことを心配そうに見ていた。


「ご、ごめんね、賢人君。私、すごくびっくりしちゃって……」


「すみません。突然、驚かせてしまいましたね」


「あ、頭の中の整理が追いつかなくて」


「そりゃ、そうですよ。急に僕なんかに好きとか言われたら……迷惑ですよね」


賢人君……
どうしてそんな悲しい顔をするの?
私まで、つらくなるじゃない。


「もちろん、迷惑とか思ってるわけじゃない。賢人君が、もし本当に私を想ってくれてるなら、それは嬉しい。うん、すごく、嬉しいよ」


でも、ここから先、心に思う自分の言葉を繋げるのは……とても心苦しかった。
私にとって賢人君は、1つ年下の可愛い弟みたいな存在で、恋愛以外の部分では、大好きな人。
大切な同僚であり仲間。
そのことを今ここで言うべきなの?
< 181 / 267 >

この作品をシェア

pagetop