再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
切な過ぎる恋心~瑞side~
俺は、山下君が病院の中庭にいるのをたまたま見かけて声をかけた。


「山下君」


「菅原先生……こんにちは」


「仕事?」


「……はい。愛莉さんはいないですけど」


「ここの病院の仕事は別の人に変わってもらったみたいだね」


「はい。まだあまり無理はしない方がいいみたいです」


山下君は沈痛な面持ちで、そうポツリと言った。
愛莉の怪我のこと、まだ気にしてるのか……


「ああ。山下君も仕事頑張って……じゃあ、また」


「あの! 先生」


去ろうとしたら、彼が慌てて叫んだ。


「すみません、お仕事中にこんなこと……」


「いいよ、今、休憩中だから。何かあった?」


「子どもの頃の愛莉さんは……どんな感じだったんですか?」


わざわざ俺を呼び止め、愛莉のことを聞くのか?
やはり……


「彼女は……そうだな。一言で言うと、『癒し』の存在かな。側にいるだけで、いつも俺の気持ちを落ち着かせてくれた。もちろん、他の友達にもそうだったと思う。とにかく誰にでも優しい子だ」
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