再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
私の名前を呼びながら、道路を渡ってこっちに来る。
思わずこの場から逃げたくなった。


「どうして? どうしてこんなところにいるの?」


「どうしてって……お前のマンションあっちだろ? 何でこっち側にいるんだよ?」


「か、関係ないでしょ。いったい何の用?」


私を散々バカにした男……
顔も見たくないのに。


「そんなに冷たくするなよ。まだ別れてそんなに時間が経ってるわけじゃないのに」


どうすればそんな軽薄なことが言えるの?
あなたには人の心が無いの?


「……会いたくないよ。早く帰って」


「この前、お前と一緒にいた男、医者だって言ってたよな?」


「……」


急に何なの?
あなたなんかに教えたくない。


「愛莉さ、あの医者とは幼なじみなんだろ? 友達なんだよな? だったらさ、この前プールで会った女に紹介してくれよ」


「えっ……? どういう意味? あの子、あなたの彼女でしょ? 好きになったから私と別れたんだよね?」
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