再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
体中から血の気が引くような、何とも悲しい気持ちに襲われる。
言葉は、時に人をナイフのように傷つける。


心が……痛いよ。


「ごめん、今日は帰る」


「まだ食事の途中だろ。先に帰って、ここの代金、俺に全部払わせる気?」


「……」


「いつも払ってやってたんだから、金払えよ」


いつもって……私が払うこともあったよね。
こんなこと言われて、私達、本当に付き合ってたのかな? って、疑問に思えてくる。急に変わった態度の理由が知りたい。


私は、テーブルに支払い分のお金を置いて、すぐに店を出ようとした。


「また連絡する」


またねって言うけど、次なんてあるの?
もう……何も考えたくない。


私は肩を落としながら電車に乗り、そして、マンションに向かって歩いた。
何だか少し寒い。
体が震える。


「いやだ、風邪引いちゃう。早く帰ろう」


部屋に戻ってから、すぐにお風呂に入り、今夜は温かくして早めに眠った。
< 21 / 267 >

この作品をシェア

pagetop