再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
愛莉ちゃん……
優しいね、また、泣けてきたよ……


「自分が、患者さんを治すための外科医だってこと、今の今まで忘れてたよ。そのために、あんなに努力してきたってことも。なぜこんな風になってしまったのか……最低だよ……」


「坂井先生は頑張り過ぎたんですよね。お母様を守りたいと思うあまり、一生懸命頑張り過ぎて、ずっと……いっぱいいっぱいだったんじゃないですか? 恋愛や遊ぶことをしないで、息抜きしないままひたすら頑張ってきて。なのに、周りはいつも楽しそうに見えて……」


「……そう……かも知れない。僕はみんながうらやましかったのかな……情けないね」


心配そうに僕を見つめる愛莉ちゃん。
好きな人に、こんな悲しい目をさせてしまうなんて、本当に僕はダメな人間だ。
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