再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「坂井……来てくれたのか。ごめんな、わざわざ」


「何を言うんだ。お前が無事で良かった……本当に良かったよ」


覇気のない友人の顔。
いったいなぜ?
一旦安心した後、そんな疑問で頭がいっぱいになった。


それから少し話していると、友人が言った。


「ここから見える月はとても綺麗だろ」


「そ、そうだな。綺麗だな……」


北海道の大地に輝く今夜の月は、あの病室から見えた月と同じくらい美しかった。


「坂井、月はさ……自分自身では輝けないんだよな。太陽に照らされてこそ、美しく輝くことができる」


「ああ、そうだな」


「俺……大切な人を失ったから、もう輝けないんだ」


「えっ?」


「太陽みたいな俺の妻は……今はこの世にはいないから」


「奥さん、亡くなったのか?」


「……ああ。あの日……俺が妻を死なせてしまった」


「……」
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