再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「雨が降ってたから、近くの駅まで迎えにきてほしいって電話した。そしたら、すぐに傘を持って、歩いて向かってくれた。その途中、妻は……バイクにはね飛ばされて。あの時、ずぶ濡れになってもいいから急いで帰れば良かったんだ。俺が妻を呼んだから……」


「そんなことが……」


もし、僕が同じように愛莉ちゃんを亡くしてしまったら……
そう思うと、友人の思いが痛いほどわかって、胸が締め付けられた。


「太陽を亡くしたから……だからもう俺は輝けないし、輝いてはいけないんだ」


友人の瞳から、ひとすじの涙が流れた。


「そんなこと言うな。お前は……こうしてちゃんと生きている。生きているじゃないか」


「俺なんかに、生きる資格はあるのか?」


深い悲しみの中にいる友人を見ていると、その闇から何としても救い出したいと思った。


「お前の苦しみは計り知れないだろう。確かに、僕にその気持ちを全て理解するのは難しい。でも僕も……1度死んで生まれ変わった気持ちになったことがあるんだ」
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