再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
しつこいかも知れないけど……
あなたは……
本当に、あの瑞なの?
どうしてもまだ疑わずにはいられない自分がいた。


「まあ、幼なじみなんですか。それはすごい偶然ですね」


偶然……そう……だよね。
これはただの偶然。
運命の出会いなんて、そんなキラキラしたものじゃない。瑞がイケメンになってるからって、再会を美化し過ぎて動揺しちゃいけないんだ。


瑞は……本当に、ただの幼なじみなんだから。


「今日はどうした?」


瑞は、お医者さんの口調で私に尋ねた。


「あ、あの……少し熱があって、喉も少し痛くて、頭痛も。昨日、寒気がしたから風邪を引いたかなって……」


「じゃあまず、胸の音、聞かせて」


えっ……?
む、胸の音?


あ、ああ、聴診器……ね。
って、ダメだよ! 聴診器なんか!!
そんなの心臓に当てられたら、私のこの「ドキドキ」がバレてしまうじゃない。
< 26 / 267 >

この作品をシェア

pagetop