再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
そんな心配をよそに、瑞が近づく。
どうしよう……
どうやったらこれ治まるの?
こんなに激しい音、聞かれるの恥ずかしいよ。


「斉藤さん、少し洋服めくって下さいね」


看護師さんの声にハッとして、私は上着の裾を持って少しだけ上にあげた。ブラは見えない程度に、胸と上着の間に隙間を作った。
瑞は、聴診器を下からゆっくりとその隙間の中に入れた。


ほんの少し黙る瑞。
気のせいか、ちょっと顔が赤い?


あれ、聴診器、当てないの?


「あ、すまない。もう少しあげてくれるか。上手く当てられない」


「えっ?」


「斉藤さん、ブラも少しあげて下さいね。心臓の音をちゃんと聞くためです」


看護師さんが、ニコニコしながら言った。
思わず、「そうは言いますけどね」って、反論したくなる。


「す、すみません」


私は、仕方なくブラも持ち上げた。
瑞からは胸は直接見えてないと思うけど、それでも、やっぱり……
この状況、かなり恥ずかし過ぎる。
まさか、幼なじみにこんなことされるなんて思ってもみなかった。
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