再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
こんなイケメンに、こんなに優しい言葉をかけてもらって……
どうしてだろう、ちょっと泣きそうになってしまった。


さっき彼氏から『会いたい』ってメールがきてたから、『風邪引いた』ってだけ打ち返した。
でも、既読がついてるのに返信がない。きっと、全然、心配してないんだろう。
また、お金が欲しいだけなんだ。そう思ったら、この瑞の優しさが余計に心に染みた。


もちろん、お医者さんなんだから親切で当たり前。
そんなことはわかってるけど……
それでも、やっぱり嬉しかったんだ。


瑞は、本当にすごい。
内科医として、こんなにも立派にみんなの命を守ってるんだから。


「はい、斉藤さん。では、受付でお会計して帰って下さいね。お大事に」


看護師さんが私に言った。


「ありがとうございました」


頭を下げたら、パソコンに向かっていた瑞が、私の方を見て右手をあげてくれた。
何だか、その笑顔が……
本当に素敵で……
私の中にポっと温かな感情が流れ込んできた。


私はお会計を済ませて、すぐにまた自転車でマンションに戻った。
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