再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
小川先生、そんな言い方しなくても……
私のこと、完全にバカにしてるんだろう。


でも、確かに反論はできない。
瑞は、ずっと私のレベルまで下がってきてくれてたから、一緒にいることができたんだ。
それは、瑞の優しさ。
本当なら、私なんて相手にされてなかったはず……


「小川先生。愛莉は昔から花が大好きなんだ。花に関しては俺は全くの素人だから、いつも色々な花の知識を教えてもらってた」


瑞……
そんな風に言ってくれて、ちょっと救われる。
だけど、その言葉のせいで余計に小川先生の顔が強ばった気がした。


「花の知識って……それって、瑞先生に必要なこと?」


「どんなジャンルでも、新しい知識を知ることは新鮮で勉強になる」


「ま、まあ、パパが花が好きだからここに飾ってもらってるけど、正直、私はあんまり好きじゃないのよね。花ってすぐに枯れちゃうし、つまらないわ」


「そう? 俺は花があれば癒されるけど。患者さんだって、きっとみんな花に癒されてるはずだ」


「そ、そんなことより、今夜のカンファレンスのことで話したいんだけど。花の話題なんてしてる場合じゃないわ。ねぇ、私達の話は斉藤さんには難し過ぎて頭が痛くなっちゃうだろうから、2人であっちで話さない?」
< 49 / 267 >

この作品をシェア

pagetop