再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
そんなことよりって……
花に全く興味が無いんだろうけど、小川先生の言葉にさっきから何度もグサグサ胸を突き刺されてる。


私の生きてきた人生を全否定されたようで、切なくなる。


「……ああ、わかった。愛莉、すまない。気をつけて帰れよ」


「う、うん。ありがとう」


瑞は、やっぱり小川先生と話したいのかな?
あんな綺麗な2人、誰が見てもお似合いで……
何だか、胸がキュッと痛くなった。


「愛莉さん、大丈夫ですか?」


賢人君が駆け寄ってきて、声をかけてくれた。


「あっ、う、うん……」


「ちょっと顔色悪いですよ。何かあったんですか?」


優しいね、賢人君。
確かにすごく傷ついたけど……


でも……


「だ、大丈夫だよ。気にしないで。それよりごめんね、1人で片付けさせて」


私は慌てて表情を取り繕った。
この問題は私自身のことだから……
賢人君に心配はかけられない。


「あっ、いえ、全然大丈夫です。あの……小川先生に何か言われましたか? 少し声が聞こえて……」


賢人君が申し訳なさそうに言った。
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